はじめは大気汚染、水質、騒音振動、悪臭物質等の環境調査や解析が中心でしたが、徐々に本格的なコンサルタントとなりました。
分析室に朝から晩までこもり続け、当時、演算装置等が無かった時代にガスクロと格闘し、悪臭物質や有害化学物質の分析を行っていたこともありました。そうかと思えば、廃棄物処理施設の性能試験に出かけ、焼却炉や電気集塵機の中に入り異常を確認調査したりすることもありました。
ラムサール条約登録録湿地の継続的な水質調査は、「富栄養化」というものを水質、プランクトンの関係から体で覚えたような気がします。
そのような経験をしているうちに時代はバブルの頃となり、各地でリゾート開発が目白押しでした。同時に開発が環境に及ぼす影響も顕著となり、環境影響評価が閣議決定されたり、全国各地で条例化されたりしました。
環境影響評価は生活環境から自然環境まで、全般的に環境調査を実施し、事業が環境に及ぼす影響を予測評価するものです。
私はそれまでコンサルタントとして、役所や民間の事業者を相手に比較的限られた環境項目について対応していましたが、その地域を考えた場合、「環境」は生活環境もあれば自然環境もあるわけで、この環境影響評価の仕事を是非やってみたいと思い、土地区画整理事業や工業団地造成、リゾート開発、道路建設、住宅団地造成、廃棄物処理施設建設等の環境影響評価をその後ずっとやってきました。
それぞれ特徴がありますが、廃棄物処理施設や最終処分場に出かけて仕事をする経験が比較的長かったことから、廃棄物処理施設の建設に伴う環境影響評価が最も思い出に残るものです。
後に廃棄物処理法が改正され生活環境影響調査として、少しコンパクトな調査が義務付けられることとなり、その初めのころから現在に至るまで生活環境影響調査(ミニアセス)を続けています。
もちろん、環境コンサルタントとしては、生活環境影響調査以外の様々な環境保全対策の検討等も行っています。建設事業の際の濁水対策の検討や工場事業場の騒音対策等、今も行っています。
振り返れば、生活環境から自然環境に至るまでいろいろな経験をし、少なからず現在の役に立っていたんだなと感じます。
一方で阪神大震災以降、「防災」についても考えるようになり、地域防災計画やハザードマップ、マニュアル作成等の仕事もしています。
コンサルタントとは、そういうものではないかと最近思います。
社会が求めるもの、人が求めるものを技術的に支援し、アドバイスするような仕事だろうと考えています。
子供のころから、別に環境コンサルタントや防災のコンサルタントになりたかったわけではありません。ただ、ひたすら動植物は好きで、自分で言うのもおこがましい話ですが正義感が強いかもしれません。そのあたりが、今日につながっているのかもしれません。
まだまだ、やってみたいことがあります。勉強したいこともあります。
コンサルタントとしてこのまま走っていきたいと考えています。